特別拝観と秀吉の学問所
終了しました。
たくさんのご来場ありがとうございました。
桃山の美とこころ
秀吉/妙興寺・能・茶・異国・仏教
特別拝観と秀吉の学問所
創建以来六七六年
歴代の住持が守った数々の重みは語り尽せるものでは有りません
長嶋山 妙興寺に心を寄せて
妙興寺の寺宝を客殿に大きく映し その作品のこころを知るため
研究者からさまざまに聴き・体験し 一段と深い鑑賞を楽しむ2日間です
日時
2024年11月23日(土)・24日(日)
<開催時間>10時~16時ごろ
会場
一宮 妙興寺 本堂
愛知県一宮市大和町妙興寺2438〈名鉄「妙興寺駅」から徒歩7分〉
参加費
1,000円(特別拝観・体験含む)
小・中高生無料
内容
11/23(土)
10時〜奉納 箏曲『紅の空の彼方へ』 長瀬あずさ
舞踊『妙興寺』 花修会
11時〜『能』体験
13時〜『妙興寺の史料を深読みする』 名古屋大学教授 斎藤 夏来
14時〜世阿弥『風姿花伝』『能から見る 地域』
能楽師 有松遼一/ 中世芸能研究者 林 和利
15時〜『秀吉と利休』野村美術館館長 谷 晃
座談『お話を聞いて』 聞き手 : 神戸大学名誉教授 影山 純夫
有松 遼一・林 和利・谷 晃・金銀花酒造蔵元
11/24(日)
10時〜奉納 筑前琵琶 安井旭道
舞踊『妙興寺』 花修会
11時〜『琵琶と平家物語を語る』体験
★ 特別展示『織物と問答』/トーク カナーレ代表 足立聖(テキスタイルデザイナー)
13時〜『尾張地域の風土と文化財』 一宮市博物館 宮川 充史
14時〜『妙興寺史に見る時代と社会』斎藤 夏来
15時〜『釈迦の出山について』 明治大学教授 美濃部 仁
座談『お話を聞いて』 聞き手 : 影山 純夫
美濃部 仁・宮川 充史・斎藤 夏来・足立 聖
出演者プロフィール
名古屋大学教授 斎藤 夏来
福井県に生まれ愛知県に育つ。1993年東京大学文学部国史学科卒。1999年名古屋大学大学院文学研究科博士課程史学地理学専攻単位取得退学。2001年「禅宗官寺制度の政治史的研究」で博士(歴史学)。2007年名古屋大学附属図書館研究開発室特任准教授、2010年岡山大学教育学研究科准教授。2016年名古屋大学文学研究科教授。 著書『五山僧がつなぐ列島史』
能楽師 有松 遼一
1982年、東京都生まれ。
京都大学文学部に入学後、2007年に能楽師ワキ方・谷田宗二朗師に入門。
同年《西行桜》ワキツレで初舞台。
谷田師逝去後、飯冨雅介師に師事。大曲《猩々乱》《道成寺》《張良》などを披く。
京都を中心に、大阪・奈良・東京・名古屋・九州・北海道など、数々の舞台に出演。
アメリカ各都市、フランス、ロシア、マレーシア、ブルガリアやスロバキア、韓国などの海外公演に参加。
大学の講義では能楽や和歌など古典の魅力を伝え、能が現代に生きる芸能・舞台芸術であることを問い続ける。
伝承文化研究センター所長 林 和利
伝承文化研究センター所長。元名古屋女子大学教授。博士(文学)。1952(昭和27)年、兵庫県丹波篠山市に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了。専門分野は能・狂言を中心とする日本の古典芸能。東海能楽研究会代表。逍遙フォーラム実行委員会代表。荻野検校顕彰会会長。愛知県稲門教育会会長。主な著書『能・狂言の生成と展開に関する研究』(世界思想社)、『なごやと能・狂言』(風媒社)、『人間国宝 野村万作の世界』(明治書院)、『古今東西ニッポン見聞録』(風媒社)ほか。
野村美術館館長 谷 晃
芸術学博士。愛知県一宮市生まれ。公益財団法人野村文華財団野村美術館館長。
京都大学史学科卒業。著書『茶会記の風景』『仮想茶会潜入記』
【主な著書】『茶会記の風景』河原書店
かつての茶人たちが催した茶会の記録(茶会記)をもとに、その場の情景や雰囲気、さらには当時の人の動静までも探求する。
神戸大学名誉教授 影山 純夫
神戸大学名誉教授。八幡市立松花堂庭園・美術館学芸顧問。専門は、芸術学、茶の湯文化学。東北大学大学院文学研究科修士課程修了。主な著者は、『禅画を読む』(淡交社、2011年)、『茶掛けの画題を知る事典』(編者、河原書店、2008年)など。
一宮市博物館 宮川 充史
主な著書
・愛知の名所いまむかし(風媒社 2024)
・尾張藩社会の総合研究8(清文堂出版 2022)
・一宮市の百年(樹林舎 2021)
・愛知の昭和30年代を歩く(風媒社 2021)
・尾張藩社会の総合研究7(清文堂出版 2020)
・美濃路をゆく(風媒社 2018)
・古地図で楽しむ尾張(風媒社 2017)
・尾張藩社会の総合研究6(清文堂出版 2015)
・尾張藩社会の総合研究5(2012)
明治大学教授 美濃部 仁
明治大学国際日本学部教授。1963年和歌山県生れ。京大で上田閑照、ヴッパータールでW. ヤンケに学ぶ。「フィヒテにおける自己と絶対者」についての論文で京大より博士学位。論文に「フィヒテの現象概念」、「西田における絶対無と個」、「火は火を焼かない―西谷啓治における「空」と「回互」」、翻訳にフィヒテ『知識学の叙述(1801/02)』(共訳)、編集解説に『久松真一 覚の哲学』など。西田哲学会会長、国際フィヒテ協会副会長。心茶会会長。
出演者よりひとこと
23日(土) 『能体験』
能楽師 有松遼一
能の基本的なカマエ、ハコビ。また能の有名な謡の一節「高砂や〜」を一緒に謡ってみましょう。見聞きだけでは分からない能のエッセンスを身体で味わえます。大切なお寺の御堂を使わせていただきますので、体験参加者はかならず白足袋か靴下をご用意ください。
23日(土) 『能から見る 地域』
中世芸能研究者 林 和利
豊臣秀吉が愛好した能・狂言の美と心を、妙興寺の寺宝を例にして語り明かす。寺宝の中から、能面の「尉」と、牧谿の筆と伝わる「観音図」に注目し、その価値を考える。ワキ方能楽師の有松遼一氏の実演も交えつつ、『風姿花伝』の説く「花」の美意識や、「序破急」の極意についても縦横に語りたい。
23日(土)『秀吉と利休』
野村美術館館長 谷 晃
茶の湯の大成者とされる千利休は、豊臣秀吉より死を賜りました。その原因はいろいろと取り沙汰され、これまでに十を越える要因が指摘されたり、提示されたりしているとはいえ、いずれも決定的なものではありません。しかし近年では芸術をめぐる対立や、二人の間の恩讐などではなく、かなり政治的色彩が濃い見方が支配的となっています。今回はそのあたりを整理してわかりやすく説明します。
23日(土) 『妙興寺の史料を深読みする』
24日(日) 『妙興寺史に見る時代と社会』
名古屋大学教授 斎藤 夏来
一日目は「妙興寺の史料を深読みする」と題し、妙興寺の古文書から室町将軍の出した文書を選び出し、その独特の様式について「深読み」します。
二日目は「妙興寺史に見る時代と社会」と題し、同じく妙興寺の古文書から、周辺住民の厳しくもたくましい暮らしぶりを考えます。(いずれも予定)
24日(日) 『尾張地域の風土と文化財』
一宮市博物館 宮川 充史
一宮市の東には遺跡や古墳が多いのに、なぜ市内の西には少ないのか。なぜ、一宮の歴史を語ると「西に話が偏る」のか
ふとした疑問から尾張の歴史がわかります。一宮市域を含める尾張地域に残る文化財から、尾張の風土的特徴を紹介します。
24日(日) 『釈迦の出山について』
明治大学教授 美濃部 仁
妙興寺所蔵の出山釈迦図に因んで。釈尊は苦行によって悩みは解決しないと知り、苦行をやめて山を出て、菩提樹下で坐禅して悟ったと伝えられています。しかし、悩みの解決方法が当時の釈尊にわかっていたわけではありません。苦行をやめるとはどういうことだったのか、坐禅とは何かをあらためて考えたいと思います。
足立聖と釈迦の衣について / 市川櫻香
ーお釈迦様が悟りに導こうと衣をふわりとかけ、真実の心を見せるー「夢の衣」
昔、青山俊董先生が書かれたお釈迦様の物語です。
今、その衣を、尾州織物で織っています。
その織物は売りのこった生地を細かく裂き、結び、結んだものを古い織機で織るという、大変に手の込んだものです。
古代からつづく織物の生産地一宮は、織物によりさまざまな夢を叶え、また落胆も。まるで、釈迦の衣のようです。祈りながら、織る。歌いながら、織る。夢を見ながら、織る。ものを作る想像する人たちの真の心をうつした布から、この日夢を見せてもらうことが楽しみです。